ネットにしかいない人格

たまにはパソコンを置いて、街へ出よう。

俺のネットでの生活とリアルでの生活というのはどうしようもなく分断されていて、そこに行き詰まりを感じるなぁ……。


少し前から、「ネットにしかいない人格」をネタにSFをつくれないかと考えていた。リアルの付き合いにたいする億劫さゆえに、ネットの世界でだけ存在する人格というものに意味があるのかというあたりに意識が行ったのだったか。発端は思い出せない。ちょうど、ゼーガペイン*1を見たとかそのへんが理由かもしれないな。
それで、ではその「ネットで生きる人格」の生きがいはなんぞやという話。


人間からの注目を浴びていないと生きていけない知性体とか、脳みそだけの存在で、自分の生命を維持するためにネットで金を稼がなくてはならない障害者とか。そんな仕掛けを考えた。
たとえばこんな感じだ。その男は事故で半身不随になり、身の回りの世話は家族に頼るしかない。唯一動く舌先でちいさなキーボードを叩き、目配せで意志を通じる不自由な生活。そこに舞い込むのが人体実験の話だ。つまり、我々の実験に付き合ってくれれば、思考するだけでネットに接続できるようにしてあげますよ、と。
頭骨を開いて電極を接続するアレな手術。実験は成功する、男はネットに限定された、だがそれまでに比べれば大きな自由を獲得する。ところが、紆余曲折あって研究は中断されてしまう。
さて困った。手術で機器と接続されたいま、生命維持には金がかかるからだ。しかし予算が無ければどうにもならない。
こうなれば、自分で金を稼ぐしかない、と、彼はネットで金を稼ぐ手段を模索する。


……というあたりでネタが尽きた。
イデアはまあまあ悪くないと思うのだが、ネットで金を稼ぐ部分でリアリティがないと面白くない。しかしそれを書けるほど知識は無いのだな。それ以上に、その先を考えるには「ネットにしか生きていないということはどういうことなのか」という部分で自分なりの結論が必要だ。
いや、そもそもその思考実験のためのSFネタではなかったか?
相互にフィードバックを重ねながら考察を進めてく必要がありそうだが、どうも土台の脳みそに能力が足りなかったようだ。あるいはこのアイデアではうまくないのか……無念。

*1:人類丸ごとデータだけになってしまって「データでしかない俺の生き様に意味ってあるのか?」と悩む少年のお話。青春ロボットアニメ。