プロジェクト・トリニティ
- 作者: 古橋秀之,前嶋重機
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2000/01/01
- メディア: 文庫
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ブライトライツ・ホーリーランドで遂行される計画「プロジェクト・トリニティ」は、神を誕生させようとする壮大な計画だ。
そのモデルは、もちろんマンハッタン計画におけるトリニティ実験である。
であるから、クライマックスにおいて、神の生誕のために爆発させられるアザナエルは、爆縮レンズの爆薬に相当する。
「神の爆薬」アザナエルが32体であるのは、その配置がトリニティ実験の爆縮レンズを模しているからだろう。
というわけで、爆縮レンズの構造イメージを引くことで、神の誕生のシーンでアザナエルがどのように配置されたかのイメージを補強できそうである。
32というのは、32面体(切頂二十面体 - Wikipedia、サッカーボールの形)の面の数なのだ。
ここでひとつ疑問が残る。「239体のコードα」の、239という数字はどこから来たものなのだろう。
プルトニウムの原子量は244のようだし、どうも数が合わない。
トリニティ実験に参加した人(つまり、魂をささげた?)の数は、Wikipediaによると約260名で、これも数が合わない。
誰か、うまい(面白い)解釈してる人はいないものか。
古橋は、純粋に「壮大な事象」の象徴として核爆発を引用するというのを何度かやっている。
ケルベロスのラガン帝も、だから、そういう描写をされたとしてもおかしくはないな。
(どっちかというと、天から落っこちたギルガガガントスの王族といった印象ではあるのだが)
あと、古橋はアメコミは昔から読んでいたようではあるので、ウォッチメンの影響はあるんじゃないかな。
Dr.マンハッたん。