世界の複製
この話を読んでいたら、前田珠子のファンタジー、堕神綺譚を思い出した。
- 作者: 前田珠子
- 出版社/メーカー: 角川書店
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どういう話かというと、ええと、あらすじは他サイトに譲るとして。
創造種と呼ばれるアーティストは、二人つがいで“小世界”を生み出す。小世界は大世界の余剰エネルギーを受け入れることで、大世界の安定に寄与する。小世界は、そのために崩壊することが運命付けられている。
創造種=MMORPG製作者、小世界=MMORPG世界、大世界=現実、ってことで。MMORPG世界は製作者・運営者の力不足により、あるいは現実世界の矛盾を受け入れ、受け止めることで崩壊していくのですよ。
(で、あるいはMMORPGも、現実世界の歪みを受け入れることで、その軽減に役立ってるのかもしれないけれど、そんなん社会学的な話はわからんのでパス)
創作をやりたい人間というのは、(自分だけの)世界を作りたいというカミサマ的な欲求をもつものなのだろう*1。しかしゲームでは世界に入り込むやからがいて、小説や映画などの静的な(製作者以外干渉しない)作品*2に比べると、安定した系を作ったりするのが難しく、完成度を高められない。特に多数が参加するMMORPGは複雑系だ、安定を保つだけで苦労するだろう。
そして実際、その世界は自己顕示と仮想労働を軸とし、(人の集まりという意味での)擬似的な社会を構成する上等とはいえない世界で、しかしそこに降りていく人はたくさんいる。……まあ、なんとも。それはつまりこの現実世界が、それほどにままならぬのだと言えなくもないわけで。
何が言いたいのかよくわからなくなってきたので、このへんで終わる。