呪術とSF、電脳コイル

論を強引にもってくためには、あえて「偏見」と言う名の「仮説」を取り上げて、「電脳コイルとかけて、理系クリエイターの純粋な(ある意味能天気な)魔術、呪術への憧れ、信仰と解く」とぶち上げたわけ

電脳コイルとかけて、理系クリエイターの純粋な(ある意味能天気な)魔術、呪術への憧れ、信仰と解く。その心は? - トボフアンカル・ミニ・メディア(T:M:M)

いや、それは違うんではなかろうか。
というのは、原因と結果だけが目に見えて、過程がブラックボックスなものはどれでも呪術的に見えうるからである。ことにソフトウェア科学の分野というのは、抽象的な概念を事象に落とし込む経路が発達しているせいか、呪術と相似に見えるシーンが多い。そのへんをネタにしているSFもいくつかある*1電脳コイルはこういったことに自覚的に作られてるんではなかろか。


とりあえず、サッチーが鳥居の向こう側を見通せない理由は、ここまでの情報量でもそこそこ解説できる。

  1. サッチーは公的領域においてのみ権限を与えられており、私的領域に干渉できない。(これは推測。「サッチーは家の中に入ってこれない」から)
  2. 神社は私的領域として認識される。(これも推測)
  3. サッチーは神社に入ってこれない。
  4. サッチーは鳥居をシンボルとして神社を認識している。(神社は他の私有地と比べて、公的領域との分割が難しいためか?)
  5. 認識能力が大雑把なためか、サッチーは鳥居の図案を鳥居と誤認識する。
  6. 鳥居の図案を円で囲った落書きは、鳥居の存在する閉領域として、サッチーは神社と誤認識するため、入れない。

「鳥居の図案を円で囲った落書きにサッチーは入れない」という原因と結果だけを抜き出すと呪術に見えるわけ。誰か、「サッチーは鳥居に似た図柄のようなものでも鳥居として認識する」ことを発見し、「落書きレベルの鳥居の図案でもサッチーは鳥居とみなす」ところまで実験して確認したやつがいたはずである。

*1:士郎正宗「仙術超攻殻ORION」、古橋秀之ブラックロッド」あたり