フルハシのエッセイを読みつつ

エッセイはこれ。

で、以下の記事に対する言及です。

これは王道が大事だよ、という話ではなく、サプライズやメタ展開で攻めるならば、それを読者が受け入れられるように周到な準備が必要だ、といったような話に思えます。物語を語る、読むという双方向からの関わりにおいて、語り手(作者)は受け手(読者)との信頼関係を裏切ってはいけない、というところに本題があるんじゃないかなあ。表面的な横紙破りを行うには、裏打ちとして莫大なフォローが必要、みたいな。


あと、冬の巨人に関してはわたしゃブライトライツ〜との類似が気になってあんまりうまく読めなかったと思うのだけれども、たとえばこんな感想を書いている人もいる。

オチが素晴らしい。なにがあっても終章を先に読むような読み方だけはしてはならんのです。正直、ミステリのネタバレよりもずっと作品をスポイルする能力が高いです。いやぁ素晴らしい落ち方だ。

http://triskaidecagon.justblog.jp/triskaidecahedron/2007/04/post_e917.html

王道的にすすめつつも、サプライズに似た衝撃を残す。そのために、クライマックスに向かってスケール的な緩急や演出的な緩急をつけ、最後のところで一気に落差を作って落とす、そういう方向性なんじゃないかなぁ。読者に“びっくり感”を与えるという目的は変わってないのでしょう。

だから、「王道が大事なんだ、だから冬の巨人」という見方はちょっと違う気がする、という話です。